静岡市観光ガイド 『由比本陣公園』 | ||||||||||
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由比本陣公園(静岡市 由比) |
★『由比本陣公園』をご覧になるにあたって | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
桜エビに、正雪、広重! 東京から東名高速に乗り、名古屋方面へとクルマを走らせていくと、それまでの景観とは一転して、太平洋を望む海岸沿いを、ゆるやかに弧を描きながら走るところがあります。 国道1号線と立体交差し、駿河湾を望む一番海側を高速が走るその場所が、静岡市の「由比」(ゆい)の町です。 由比の名は、特産物である「桜エビ」や「しらす」などにより、ご存知の方も多いかと思いますが、歴史上では、1651年に「慶安の変」を起こした「由井正雪」が生まれた地として知られ、そこから名づけられた地酒「正雪」などによっても知られています。 また、「歌川広重」(安藤広重)作の「東海道五十三次」、「由井 薩た峠」の浮世絵でも知られ、広重の絵には、今と変わらぬ海岸線に迫る山肌に、のどかな駿河湾の風景、そして富士山が描かれています。 絶壁状に描かれたこの薩た峠の絵は、箱根・鈴鹿と並び、東海道三大難所と言われたこの地を上手く表現しており、山と海に挟まれた限られた土地に、住居をはじめ道路や線路がひしめいているため、後発であった高速道路が一番海沿いを走ることとなり、台風の時などには、高波により、しばしば通行止めとなっています。 そんな由比の町は、江戸「日本橋」から京都「三条大橋」までの、東海道53宿の中の16番目の宿場町として栄え、江戸時代、参勤交代で訪れる大名の宿として設けられた本陣の跡が、この『由比本陣公園』です。 由比のことなら、東海道由比宿交流館へ! 東西約1kmの街道沿いの町の中心部約600mが、由比宿の宿場町となっていたとされ、およそ700人の人が住んでいたとされています。 百数十軒あったとされる建物のうち、「本陣」、「脇本陣」が1軒づつと、「旅籠」(はたご)が32軒、その他に、「問屋場」や「寺院」などがあったとされています。 現在では、その街道筋といくつかの歴史的建造物しか残されていないため、当時の宿場町の様子を計り知ることはできませんが、そんな由比宿の歴史を学ぶべく、この由比本陣公園内に設けられたのが、「東海道由比宿交流館」です。 1989年から5年の歳月をかけ、「江戸文化に触れる!」を目的として、荒廃していた由比本陣跡地を整備した由比町が、新たに「由比本陣公園」敷地内に建設したのが、延床面積約97坪の平屋建て建築物である、この東海道由比宿交流館でした。 一見2階建かとも思われるこの本格的木造建築物は、内部の柱や梁が剥き出しになっており、木のぬくもりと開放感が感じられる吹き抜け構造が特徴となっています。 2005年4月にオープンした、この東海道由比宿交流館は、由比宿について学べる「カルチャーエリア」、由比の町の歴史について学べる「博物館エリア」、由比の観光資源をご紹介する「観光エリア」、そして公園内を見物した後などに、ゆっくりと休憩できる「レストエリア」の4つのゾーンで構成されています。 お世辞にも、濃い展示内容とは言えませんが、それでも、この由比の町の歴史を知るには充分であり、周囲を散策するにあたっての情報源として、真っ先に訪れて欲しい場所でもあります。 由比の歴史探訪の旅は、ここからスタートし、最後にまたここでゆっくり休憩しながら、疑問点を尋ねたりしながら復習されるのが、一番良いのではないでしょうか。 とても珍しい!遮蔽型本陣 そんな東海道由比宿交流館のある「由比本陣公園」ですが、本陣そのものは、明治になると取り壊されてしまい、現在は「芝生公園」となっています。 すでにその姿は無くなってしまった由比宿本陣ですが、間口約60m、奥行き約70mの1300坪にも及ぶ広大な敷地内には、かつて床面積179坪を誇っていた「母屋」と「離れ」、「土蔵」などが建ち並んでいました。 通常の本陣とは異なる「遮蔽型本陣」(じゃへいがたほんじん)という形態をとっていたこの由比宿の本陣は、街道に直接建物が接していないのが特徴で、その当時の姿を彷彿させる、「表門」、「常夜燈」、「石垣」、「木塀」、「馬の水呑場」などの佇まいが、うまく再現されています。 特に、馬の水呑場は、遮蔽型本陣ならではといった感じのもので、東西20mに渡って、約1mの幅で造られており、当時は水深60cm程あったと言われています。 この馬の水呑場は、名前の通り、馬に水を呑ませた他、体を洗ったりするのにも利用されたと言われています。 また、敷地内には、「物見塔」も建てられており、より一層、本陣としての風格をかもし出しているとともに、「由比本陣公園」の北西の角には、離れ座敷として、約42坪の由比本陣記念館である、「御幸亭」(みゆきてい)が復元されています。 この御幸亭は、明治天皇が3度にわたりご休息されたところで、内部には、「結仁斎」(ゆいじんさい)と呼ばれる茶室があります。 前庭として、「山岡鉄舟」(やまおかてっしゅう)が、「徳川家康」公お手植えの松や、残念ながら落雷により枯れてしまった、家康公馬つなぎの榧(かや)があったことから名付けたという、池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)の「松榧園」(しょうひえん)があり、御幸亭の北側には、「小堀遠州」(こぼりえんしゅう)作と言われる枯山水(かれさんすい)があります。 また、この松榧園の片隅には、由比本陣家の屋敷神として、五穀豊穣を願い、稲荷大明神を祀った「榧守稲荷社」(かやもりいなりしゃ)という、祠(ほこら)もあります。 そんな御幸亭の横の、かつて土蔵が建ち並んでいたところには、3階建の洋風建築物である、「東海道広重美術館」も建っています。 東海道広重美術館は、広重作品を中心に、1300点にも及ぶ版画コレクションを有している美術館で、浮世絵芸術のすばらしさを、今に伝えています。 「由比本陣公園」は、決して派手な観光施設ではありませんが、園内にあるいくつかの建物を巡っていくうちに、ちょっとづつ江戸の文化を肌で感じとっていける・・・、そんな感じの場所となっています。 東海道五十三次めぐりや、由比名物「沖あがり」や「桜エビ丼」を楽しみながら、この「由比本陣公園」にも立ち寄ってみてください。 |
- 由比本陣公園 - 『旅シュラン』とは?
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