徳願寺とは?
静岡県静岡市駿河区にある、山号を「大窪山(だいあさん)」と称する、1457年に北条早雲の妹で今川義忠の正室、今川氏親の生母である北川殿により開基・改宗された曹洞宗寺院。その前身は、717年にこの山の山頂に「駿河七観音」の1つで、御本尊の行基作と伝わる千手千眼観世音菩薩を祀り創建された、真言宗寺院の「大窪寺」。苔むした参道や、富士山をバックに望む静岡の市街地の絶景が印象的なお寺で、サザンカの名所でもある。「駿河三十三観音霊場」の第12番札所で、御詠歌は「煩悩の きずなもいまは 徳願寺 これも大悲の ちぎりなるらん」。
この時期がおすすめ!
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月新緑 | 6月新緑 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月紅葉 | 12月サザンカ |
名 称徳願寺
ふりがなとくがんじ
ローマ字Tokugan-ji Temple
地 区静岡市(Shizuoka City)
住 所静岡市駿河区向敷地689
お問合せ054-259-7304
するナビ静岡市の観光スポット
徳願寺のPR
徳願寺の評価


1苔むした参道を上ってこそ徳願寺!
現在は車で上って行けるけど、このお寺の良さは苔むした参道や趣の異なる石段の数々だよ!
2徳願寺から望む静岡の絶景を楽しもう!
安倍川越しの富士山や駿府の城下町、久能山東照宮のある日本平の眺めは最高だよ!
3とにかく見所いっぱいなので見逃すな!
北川殿のお墓や門前のクスノキ、石灯籠にアヒル、そしてサザンカと見所いっぱい!
徳願寺 編


徳願寺の地図
徳願寺の見所

徳願寺を楽しむポイントは?
徳願寺は、苔むした参道と趣の異なる石段の雰囲気を楽しむのがポイント。写真の石段の上まで車でぐるっと回っていけるが、○丁目と刻まれた石を一つ一つ越えて上っていくことをおすすめする。あの絶景が待っているだけに、ここは時間をかけ道程を楽しんでほしい。

自分で言っておいて矛盾するのだが、みんなが歩かないから苔むした石段となるわけで、これを残すとなると…。なんとも複雑だ。

門前まで車で来れてしまうため、現在ではここからがお寺の境内という印象だ。ここまで来て振り返ると、眼下には市街地の絶景が!

方広寺鐘銘事件の折「国家安康 君臣豊楽」の弁明で駿府を訪れた片桐且元が、家康に失礼だとして駿府城を見下すこの寺に泊まるのを控えたという。

「大窪山」と書かれた扁額が掲げられた三門。前身の「大窪寺」からきている山号と思われるが、これを「だいあさん」とはなかなか読めない。

本堂まで一直線!
三門を抜けるとさらに石段が続くが、徳願寺の入口からずっと、気持ちよいほど参道は一直線なので、その先に本堂が顔をのぞかせている。この本堂の裏手の山頂に、かつて山城の徳願寺城があったとして、駿府城を見下ろす位置となるだけに、誰がどのような目的で築いたのか、近年注目が集まっている。

本堂の手前に池があり、そこに架かる橋を渡ると本堂がある。本堂前に池があるお寺は珍しくないが、この規模で、こうして真っ直ぐ橋を渡ってアプローチするお寺はあまり覚えがない。「駿河七観音」の1つで「駿河三十三観音霊場」の第12番札所でもあり、霊場巡りで訪れる人も少なくない。

本堂前に池があることから、いつもアヒルやカモがウロウロしている。本堂前の参道上にある池も珍しいが、アヒルが徘徊している寺も珍しい!

北川殿の菩提寺でもある境内の一角にある北川殿墓所。もともとこの五輪塔は本堂の裏手にあったが、2007年にこの場所へと移された。

境内の南側にある墓地に建つ、真っ白な観音像。この辺りは開けていて、駿河湾をはじめ静岡市内の眺めが良い。富士山も見られる。

小さいながら面白い石灯篭がいくつか散見される。こんなところに注目しながら一つ一つ見ていくと、このお寺の魅力が増していく感じだ。

アプローチが絵になるお寺
本堂前ではなく裏の参道の眺めだ。こちらの方が趣があって絵になる光景だ。美しさの質は異なるのだが、なんとなく紅葉の名所として知られる、京都山科の「毘沙門堂」の石段を思い出した。見た目の美しさは異なるが、何か共通する匂いを感じる。

四季を通じて楽しめる
こちらも裏の参道だが、石垣の上に建つ小さな石灯篭が、何とも言えぬ一枚にしてくれる。本当にこのお寺は、趣の異なる参道を存分に楽しめるお寺だ。季節が変われば、また違った表情を見せてくれるわけで、四季を通じて楽しめる。

わかりにくいが、駐車場の西側にあるモアイ像みたいな石像。奥にも同じような白い像がある。

サザンカの名所として知られている徳願寺。晩秋の11月~12月にかけて、赤や白のサザンカが参道の両脇に咲く。

巨大と言うまでではないが大きなクスノキで、しかもカタチが変わっていて面白い。何となくジブリチックで動き出しそうな感じだ。

道路に面し建てられている、日を限って祈願すると願いが叶うという日限地蔵尊。地蔵菩薩本願経の十種利益(10のご利益)が掲げられている。

絶景かな、絶景かな…
京都「南禅寺」三門の石川五右衛門じゃないが、思わず「絶景かな、絶景かな…」と言いたくなるほど素晴らしい眺めだ。手前を安倍川が流れ、その先に「久能山東照宮」がある「日本平」が見える。ここから右にスパンしていくと、駿府の城下町、そして世界遺産である富士山の眺めを堪能できる。

安倍川に架かる鉄橋を行く新幹線が見える。ここでこうしてカメラを構えていると、次から次へと行き交う、その列車の本数の多さに改めて気付く。

21階建ての静岡県庁別館の裏手が駿府城跡であり、この一帯が駿府の城下町となる。なるほど片桐且元がはばかったのもうなづける。

車で上るルート上には、かつて徳願寺が大段に建てられていた時代に、三門が建てられていたとされる場所がある。

下馬を意味するものと言われ、大門段のすぐ下にある。この辺りで馬を下り、歩いて徳願寺へと上っていったのだろう。