伊豆市観光ガイド 『独鈷の湯』 | ||||||||||
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独鈷の湯(伊豆市 修善寺) |
★『独鈷の湯』をご覧になるにあたって | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
修善寺温泉と言えば・・独鈷の湯! 修善寺温泉と言えば・・・という問いに、まっ先にその名が挙がるのが、修善寺の観光名所であり、温泉街のシンボルともなっている、ご存知『独鈷の湯』(とっこのゆ)です。 毎年、テレビやニュースで幾度となくその名を耳にし、ドラマや旅番組などで修善寺の町が紹介されると、必ずと言っていいほど映し出されるのが、この「独鈷の湯」の映像です。 みなさんも一度は、この写真の風景をご覧になったことがあるのではないでしょうか。 この「独鈷の湯」のある修善寺温泉は、古くから文人墨客に愛された町で、伊豆半島において、最も歴史ある温泉場となっており、伊東や熱海と並んで「日本百名湯」(日本経済新聞)にも選ばれています。 守り続けた外湯の伝統! その修善寺温泉の中心に位置するのが、桂川に湧く修善寺温泉の起源とされる「独鈷の湯」で、平安時代に、「弘法大師」(こうぼうだいし)として知られる「空海」が開いたとされており、かつて修善寺の町が、湯治客や地域の生活浴場として賑わった時代の、少なくとも9つ以上あったとされる外湯のひとつに数えられています。 生活スタイルの変化や、家庭におけるお風呂の普及、旅館内に内湯が出来たことなどにより、次々と外湯が消えて行く中、この「独鈷の湯」だけは生き続け、ただ一つの外湯として、2000年に「筥湯」(はこゆ)が復活するまでの間、古き良き修善寺の外湯の伝統を守り続けてきました。 しかしながら、その立地の問題、衛生面や安全面、管理面などの問題から、現在入浴が禁止とされており、皮肉にも文字通りの修善寺温泉のシンボル的存在となってしまいました。 個人的には、「城崎温泉」のように、修善寺の温泉街は、風情ある景色が楽しめるため、下駄に浴衣で川沿いを歩きながら、9つの外湯めぐりできる温泉場になれば・・・などと思うのですが、趣向を凝らした露天風呂を持つ名旅館が多いため、現実的には夢のまた夢といった感じです。 一度失ってしまったものを取り戻すということは、なんであれ難しいものです。 本当に出土した「独鈷杵」 そもそもこの湯が、なぜ「独鈷の湯」と呼ばれるようになったのか?・・・という、この温泉の起源に関しては、ひとつの伝説が残されています。 前述の空海が、今から約1200年前の807年に、この地を訪れた際に、病床の父の背中を、冷たい桂川の水で流している孝行息子の姿を見るにつけ気の毒に思い、密教法具のひとつである金銅製の「独鈷杵」(とっこしょ)を用い、川の岩を砕いて、温泉を湧出させたという言い伝えが残されています。 このことから「独鈷の湯」と呼ばれるようになったとされていますが、このお話には続きがあり、この湧き出た湯で父の疾病を治療するよう空海が説くと、たちまち父の病が平癒したと言われています。 その後、この噂がしだいに広まり、「独鈷の湯」が庶民の温泉療養の場として利用されていき、やがて修善寺の町全体が湯治場として賑わいをみせるようになりました。 「独鈷の湯」の名前の由来になった空海の「独鈷杵」は、1961年に、実際にこの「独鈷の湯」のすぐそばにある「修禅寺」の裏山から出土しており、現在、境内にある「宝物殿」にて公開されています。 とても立派なものですので、是非とも一度はご覧になってみてください。 ちなみに「修善寺」の地名の由来は、この「修禅寺」からきているのですが、地元ではこれらを区別して、「修善寺」を「しゅぜんじ」、「修禅寺」を「しゅうぜんじ」と区別して読ぶことが多いようです。 わたしは伊豆の知人に、この読みの違いを教えてもらいましたが、正式にはどちらも「しゅぜんじ」と読むのが正しいようです。 また、この孝行息子の伝説にあやかって「湯掛け稚児大師」像が、川岸の「独鈷の湯公園」に建てられています。 こちらもご利益のある像となっていますので、是非ともご覧になってみてください。 くれぐれも、入浴禁止ですよ! 現在の「独鈷の湯」と言えば、入浴禁止であることもあり、ほとんどの方が手で湯をかきあげてみたり、足を浸けてみたり・・・といった程度の楽しみ方となっているようですが、中にはそうで無い方もおられるようです。 入浴禁止となってからは、わたしは直接見たことはありませんが、以前は、白昼堂々と入る学生の姿や深夜や早朝にこっそりと・・・という観光客の姿が見受けられました。 わざわざ遠くからお越しになっている方からすれば、やはり記念にこっそりと・・・という思いも強いようで、そういう考えの方が同じような考えのもと、同じような時間帯に集まってしまい、意外な時間に混みあったりする場面も多々あったようです。 いずれにせよ、現在は入浴禁止となっていますので、くれぐれも間違いのないようにお願いします。 ちなみに、この 「独鈷の湯」の泉質は、無色透明、無味無臭の単純温泉となっています。 修善寺の湯を楽しみたければ、近くに伊豆半島だけでなく、日本を代表するような名旅館が数多くありますし、「筥湯」などの温泉施設もありますので、そちらを利用してみてください。 生まれ変わった独鈷の湯 そんな「独鈷の湯」ですが、2009年春に、現在の位置から19m下流の左岸へと移転されました。 2004年の台風による洪水で、桂川が氾濫し、周囲に被害が及んだことがその一因で、3代目にあたる「独鈷の湯」が、かさ上げして造られていることに起因する・・・ということから、この移転計画が浮上、賛否両論交錯する中、移転が決定しました。 「独鈷の湯」には、立派な東屋や橋があるのですが、台風が来る度にこれらが流されないように、解体・撤去する維持管理の問題や、過去に幾度かそれらが流された経緯もあり、その修復費用が馬鹿にならないことも、かねてから指摘されていました。 一時は、「独鈷の湯公園」への移転などの案もあったようですが、修善寺のシンボルともいえるこの「独鈷の湯」が、桂川から姿を消すことは、修善寺温泉にとって計り知れないダメージとなることを重要視し、極力3代目のイメージを残しつつ、河川問題も解決すべく、19m下流の左岸へと、岩盤ごと切り取りそのまま引きづりながら移転させる方法で落ち着きました。 個人的には、修善寺のシンボルとして定着しており、この景観を残してほしい・・・という思いから、こういう時こそ税金をかけて、神田川の様に、道路下に分水路を設けたり出来ないものか・・・などと思っていましたが、なかなか素人が考えるほど簡単な問題ではなかったようです。 いずれにせよ生まれ変わった「独鈷の湯」が、修善寺の景観に一日でも早く溶け込み、修善寺温泉のシンボルとしての輝きを、以前にもまして見せてくれることを期待しています。 |
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