♨ 液性(水素イオン濃度)による分類
温泉は、一般的に pH(ペーハー / ピーエッチ)と呼ばれる「水素イオン濃度」により、「酸性泉」「弱酸性泉」「中性泉」「弱アルカリ性泉」「アルカリ性泉」の5つに分類されている。
正式には5分類なのだが、わたしもそうだが場合によってpH2.0未満を「強酸性泉」、pH10.0以上を「強アルカリ性泉」という基準値を設けて、7段階に分類するケースも広く見られる。
水素イオン濃度による分類 | ||
※ | (強酸性泉) | (~ pH 2.0未満) |
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1 | 酸性泉 | ~ pH 3.0未満 |
2 | 弱酸性泉 | pH 3.0以上 ~ pH 6.0未満 |
3 | 中性泉 | pH 6.0以上 ~ pH 7.5未満 |
4 | 弱アルカリ性泉 | pH 7.5以上 ~ pH 8.5未満 |
5 | アルカリ性泉 | pH 8.5以上 ~ |
※ | (強アルカリ性泉) | (pH 10.0以上 ~) |
温泉には、様々な成分が含まれているため、その成分の違いにより、酸性の温泉もあれば、アルカリ性の温泉もあり、美人湯で有名な「うなぎ湯」などは、入浴時になめらかで肌がヌルヌルするが、これらはアルカリ度が強い温泉とされている。
液性を知ることがなぜ大切なのかは、後々お肌のトラブルを起こさないためであり、一般的に上がり湯には温泉を使う方が良いとされているが、強酸性の温泉や強アルカリ性の温泉の場合は、肌の緩衝作用が弱い方や肌荒れが心配な方にとっては、これが災いする。湯上がり後にお肌のトラブルを起こさないためにも、真水で流した方が良い。
前提として、自分の体質を知っておくことが重要だが、せっかくの温泉旅行で思わぬトラブルに見舞われないように、温泉の液性を把握してから湯舟に浸かることをすすめる。
液性を知ることで、お湯の感触を楽しむという幅が広がり、温泉地選びも楽しくなるが、それだけではないということを正しく学んでほしい。
尚、プロが選ぶ温泉宿『名湯・秘湯★百湯』のグラフにおける長方形のバーは、主たる泉質の液性域を示しており、▲は一部の泉質や一部の宿などで見られる液性域を示している。