本来の龍巌淵はココじゃなくて富士宮市!?
龍巌橋を境に上流と下流では潤井川の景観が一変する。桜並木があるのどかな下流域とは裏腹に、上流側はゴツゴツとした岩肌が特徴でポットホールなども見受けられるが、実はここが本来の龍巌淵だ。少なくとも地質学的には、入山瀬溶岩が潤井川による侵食により渓谷の様な景観となっているこの場所こそが龍巌淵となる。
さらに龍巌橋が富士市と富士宮市の市境となっているので、地質学的な龍巌淵は龍巌橋より上流となることからほぼ富士宮市となるのだが、実際には「潤井川龍巌淵の桜」として龍巌橋下流域の富士市にある桜並木の景観が観光名所となり有名になったため、狭義的にはジオスポットとして地質学的な龍巌淵を指しつつも、広義的に観光名所としての龍巌橋一帯エリアを指す言葉となっており、現在ではこちらが一般的となっている。
『立願渕のお膳』伝説より龍巌淵に!
『その昔、滝戸村の名主の家で婚礼があり、百人前の膳椀がどうしても整わず困った名主は下男に探してくるように言いつけました。下男は毎日あたりの村々を探し回るもどうしても用意できず、疲れ切って川の渕にある岩にしゃがみこみ「やれやれ婚礼は明日だというのに膳椀が見つからない…」と独り言を言うと、背後から「これこれ、そこで何をしておるのか?」という声がして、振り向くと岩の上に白い髭のお爺さんが立っていました。下男が訳を話すと「そうか、では明日の朝早くこの岩の上に立って願い事を言え。わしは、この渕の竜神じゃ!」と言い残すとスーッと姿を消しました。翌朝、岩に立って「竜神さま、どうか百人前の膳と椀を貸してください!」と願うと、不思議なことに水面にプカプカと百人前の膳と椀が浮いてきました。無事婚礼が行われ、翌日お礼を言って膳椀を渕の中に返してからは、困った時には村人達も借りることが出来るようになっていました。
そんなある年に、隣村の名主の家で法事があり、やはり竜神さまから百人前の膳椀を借りたのですが、返す時になってどうしたことか一膳足りません。隣村の名主は「1つくらい足りなくとも分かるまい…」と、黙って渕の中へ残りの膳椀を返しました。それ以後いくら竜神さまにお願いしても、二度と貸してくれることはありませんでした…』という伝説があり、諸説あるものの、この竜神さまに渕の岩に立って願ったことより「立願渕」 ⇒ 「龍巌淵」となったとされているよ!
富士山と桜並木の絶景が話題の桜の名所だよ!
潤井川の滝戸左岸堤の桜並木は、1969年より5年余りかけて勝又夫妻を中心とした地元住民により植樹されたもので、20年目の1989年からは「さくら祭り」も開催され、半世紀を過ぎた今では静岡県内屈指の桜の名所となっているよ!
雄大な富士山をバックに咲く桜の絶景が話題となり、年々人気となっている桜の名所だよ!
富士山が見えやすい気温が低く空気が澄んだ午前中に訪れよう! 幻想的な夜桜見物もいいよ!