修禅寺とは?
静岡県伊豆市にある修善寺温泉の中心に位置する、平安時代の807年に弘法大師 空海により開創された曹洞宗寺院で、御本尊として木造 大日如来坐像を安置する「伊豆八十八ヶ所」の第88番札所。
正式名称は「福地山 修禅萬安禅寺」だが、開創当初はその頃の地名より「桂谷山寺」と呼ばれ、鎌倉時代より「修禅寺」として親しまれだした。漢字は異なるが地名の修善寺と同じ読みのため、地元では区別して「しゅうぜんじ(さん)」と呼ぶ人が多い。
開創時は真言宗寺院として栄えたが、鎌倉時代の建長年間に、蘭渓道隆が入山し臨済宗に改宗。その後、源範頼や鎌倉幕府2代将軍 源頼家の幽閉騒動、1361年の畠山国清と足利基氏の戦火、1409年の大火で伽藍を消失し荒廃。
室町時代の1489年に、北条早雲が叔父の隆渓繁紹を石雲院より招き、曹洞宗に改宗し再興。この頃寺領は歩いて一日くらいの半径4~5kmに及んだとされ、一説には達磨山も修禅寺境内だったと言われている。
江戸末期の1863年に再び伽藍が焼失するも、明治時代の1880年~1887年に再建。2007年の「開創1200年祭」による本堂の修復や、2014年の山門改修による「指月殿」からの金剛力士像の遷座を経て現在に至る。
毎年11月に御本尊の特別拝観が行われ、2~3月の「女将のもちより雛」と11月の紅葉時に、庭園「東海第一園」の特別公開が行われる。また西へ5km程行った所に、空海が修業をしたとされる「修禅寺奥の院」がある。
修禅寺の見所
改修後の山門
トップの花菖蒲飾りの写真と比較すれば分かるように、2014年に山門の両脇が拡張され、指月殿より藤原期の作とされる、高さ183cmの阿形・吽形の金剛力士像が遷され安置されている。
桂谷霊泉「大師の湯」の手水舎
手水舎の龍の口から流れ出ているのは温かい温泉で、しかも源泉かけ流しで飲泉もできる。全国でも珍しく、手に取り温泉であることに気づきビックリする人が多い。
伊豆八十八ヶ所 第88番札所
現在の本堂は1883年に再建されたもので、2007年の改修の際に、屋根の唐獅子や鬼瓦が新しくなっている。伊豆を代表する古刹であり、伊豆八十八ヶ所の結願寺としての趣が感じられる佇まいだ。
『修禅寺』の扁額
本堂に掲げられた『修禅寺』の文字の扁額は、1888年に寄進されたもので、佐賀藩出身の政治家で書家としても知られる副島種臣の筆によるもの。
修禅寺庭園「東海第一園」
2009年まで非公開だった、大正天皇が「東海第一の庭園である」と仰せられた回遊式庭園。1905年に現在の「楽寿園」より小松宮彰仁親王別邸を移築した際に造園されたもので、亀石の右に鶴石、その上方に鏡岩の富士が見える。
女将のもちより雛
享保雛から御殿飾、明治の七段飾りに現代的な愛おしいミニチュア雛人形まで、明治・大正・昭和・平成と時代時代の雛人形が展示されており、衣装やお顔立ちなどを見比べながら楽しめる。
庭園の特別公開が行われる、雛祭りと紅葉時がおすすめ!
2月からの「女将のもちより雛」と11月の紅葉シーズンに、東海第一園の内庭が特別公開されるよ!
全国でも珍しい、源泉かけ流しの手水舎だよ!
手水舎の龍の口から流れ出ているのは、源泉かけ流しの桂谷霊泉「大師の湯」で、温かくて飲泉もOKだよ!
伊豆八十八ヶ所の第88番札所で、ここで結願!
御本尊は木造の大日如来坐像で、毎年11月に特別拝観が行われるよ!
修禅寺 編