静岡県富士山世界遺産センターとは?
静岡県富士宮市にある、2006年7月に 富士山本宮浅間大社 の御鎮座1200年を記念して建設された「富士山せせらぎ広場」に、富士山が世界文化遺産に登録されたことを受け、総事業費約41億円をかけ2017年12月23日にオープンした博物館。
プリツカー賞を受賞した坂茂のデザインによる、地上5階建て延床面積約3,400㎡の建物は、静岡県産のヒノキを使用した菱格子が印象的で、大きく「展示棟」「北棟」「西棟」に分かれている。
展示棟には、1階から5階へかけ富士登山をイメージした螺旋状のスロープが設けられていて、登りながら移ろい行く四季を感じながら刻々と変化する富士登山を疑似体験できる展示趣向が施されており、北棟のホールやテラスからは、間近に富士山を望むことが出来る。
また屋外に設けられた富士山の湧き水を利用した「水盤」には逆さ富士が映し出され、訪れる者を楽しませてくれる他、展示棟そのものも逆さ富士ならぬ順富士となって映し出される仕掛けが施されている。
静岡県富士山世界遺産センターの見どころ
富士山世界遺産センターに建つ大鳥居
ご覧あれこの景色を!! 霊峰富士をバックに「静岡県富士山世界遺産センター」の入口に建つ、高さ16m 幅20mの鉄製で、"富"ではなく『冨士山本宮』の扁額を掲げる大鳥居だ。
世界遺産の構成資産の1つである「富士山本宮浅間大社」の鳥居の中では、本宮や富士山頂の奥宮も含めて最大の鳥居となる。
奥にそびえる富士山と真っ赤な大鳥居のコラボが美しく、訪れる度にシャッターを切っているのだが、四季の変化もさることながら、冠雪や刻々と変化する空の様子など、今まで一枚として似た写真は無い。
カメラを構えていると、ついつい大鳥居が斜めになってしまうのが残念に思われるのだが、富士山本宮浅間大社の一の鳥居であり、富士山に向けられて建っているのではないので致し方ない。
富士山せせらぎ広場って!?
この大鳥居は、静岡県富士山世界遺産センターの建設にあたって建てられたものではなく、また始めからこの場所に建てられていたものでもない。
ううん!?…となる訳だが、実は1934年に「富士山本宮浅間大社」により、JR富士宮駅前に建立されたのがその始まりだ。
1981年に撤去された後、2006年7月に富士山本宮浅間大社の御鎮座1200年を記念して建設された、トイレや無料駐車場などを完備した「富士山せせらぎ広場」のシンボルとして、この場所に移され再建された。
その後、富士山せせらぎ広場の駐車場に「静岡県富士山世界遺産センター」が造られることとなったのだが、大鳥居はそのままこの場所に残されることとなった。
上の写真は、大鳥居の奥に駐車場が見えるように、静岡県富士山世界遺産センターが造られる前の大鳥居の写真だ。…と言っても見比べてみてお分かりのように、大鳥居そのものに変化がある訳ではなく、駐車場は無くなったが、富士山せせらぎ広場が消滅したわけでもない。
また代わりとなる駐車場も、有料だが「神田川観光駐車場」が新たに建設されている。
ちなみに昔は無料駐車場だったこともあり、ここから神田川のせせらぎを聞きながら遊歩道を進んで、サクッと浅間大社へお参りできた。
刻々と表情を変える富士山
富士山世界遺産センターの屋外に設けられた富士山の湧き水を利用した「水盤」には、逆さ富士が映し出され、訪れる者を楽しませてくれる。
小さなことに思われるかもしれないが、湧き水だからこそこの透明度が保たれている訳で、それが美しい逆さ富士にも繋がっている。
民家やビルが写り込んでしまうのが残念なのだが、この場所が富士宮の中心市街地であることもそうだし、そもそもこちらが後からできた施設なので致し方ない。
夕刻になると富士山が赤く染まりだし、「紅富士」と呼ばれるまた違った表情を見せるので、富士山世界遺産センターの見学前と見学後に、また富士宮散策を楽しんだ帰りに、是非この場所でシャッターを切って欲しい。
ちなみに富士山に積もった雪が赤く染まるのが「紅富士」、岩肌が赤く染まるのが「赤富士」とされている。
静岡県富士山世界遺産センター
富士山世界遺産センターという名称は、実は一足お先に2016年6月22日にオープンした山梨県にある「山梨県立 富士山世界遺産センター」と被ることから、静岡県側の名称は「静岡県富士山世界遺産センター」となっている。
2013年に『富士山 - 信仰の対象と芸術の源泉』として、世界文化遺産に登録されたことを受け、『守る・伝える・交わる・究める』の4つのコンセプトを基に、総事業費約41億円をかけ、2017年12月23日にオープンしたのがこの博物館だ。
プリツカー賞を受賞した坂茂のデザインによる、地上5階建て延床面積約3,400㎡の建物は、静岡県産のヒノキを使用した菱格子がとても印象的だ。
館内は大きく「展示棟」「北棟」「西棟」に分かれていて、様々な仕掛けが施された趣向を凝らした展示が楽しめる。
この逆三角形デザインは…
実は初めてこの建物を見た時、この逆三角形デザインは…と、すぐに大学時代に訪れていた、以前あった早稲田大学の追分セミナーハウス(現:軽井沢セミナーハウス)を思い出していた。
建物が似ているという話ではなく、そのセミナーハウスは、まさに逆三角形そのもので、地面にピラミッドを逆さまに突き刺したようなデザインで、私の記憶が正しければ、東京ビッグサイトの下側がそのまま三角形になったような感じだったと記憶している。
現在も残る八王子の大学セミナーハウスのようでもあり、少し違ったようでもあり、そこら辺は四半世紀以上前で老化もしているので定かではないが、脳裏に浮かんだのはその建物だった。
逆三角形建築は、当然ながら1階が一番狭く、上に行く程フロア面積が広くなるのだが、階段での上り下りとなっていたため、ゼミで訪れる度に教授が「一番ラクで利便性の良い1階に玄関しかなく、一番利用する会議室や宿泊所が上階にあって、疲れるだけで何て非効率な建物なんだ!」と怒っていたのを覚えている。
そんなことを考えながら館内へと入って行ったため、1階の受付で「上階が展示施設になっておりますので、こちらのスロープから上って…」と言われた時に、怒った教授の顔が頭に浮かび、思わずにやけてしまった。
実際にはガラス張りなだけで逆三角形なのは展示棟だけであり、上へ行く程ドンドン円周が広がって行き、歩く距離が増えて行くのは展示趣向でもある訳で、水辺に逆さ富士ならぬ順富士を映し出したい…という意図が強かったにせよ、これはこれで全く問題ない。
…というか、そもそも皆さんには、この建物と教授の話は全く関係ないことであり、全くもって私の個人的な訪問時の思い出だ。
ただ私はその後スロープを登りながら、セミナーハウスの窓際の壁が傾斜していたのか? はたして窓は斜めに付いていたのだろうか?…など、思い出せずに引きずっていた。
浮遊感のある富士登山を疑似体験!
静岡県富士山世界遺産センターは、先程お話ししたように、螺旋状のスロープを登って行く展示棟を中心に、北棟と西棟が付属した建築物だ。
係の方に促されながら案内表示に従って進んで行けば、もれなく見学ができるので、特にどこに何があるのか事前に知っておく必要はないが、上の案内図のように「聖なる山」「荒ぶる山」など富士山についてコンセプトを持った展示が行われている。
「登拝する山」のコンセプトのもと1階から5階へとスロープを登り出すと、移ろい行く四季を感じながら刻々と変化する富士登山を疑似体験することができる。
この時代らしいリアリティのある凝った展示内容で、登山道を歩いているようでもあり、山小屋から眼下を見下ろしているようでもあり、とにかく浮遊感のある富士登山が楽しめる。
せっかちな人は、そそくさと登って行ってしまうが、単なる5階への通路ではないので、ゆっくりと1つ1つのスクリーンに映し出される映像を、リピートするまで楽しみながら登って行こう。
富士登山をしたことが無い方はもちろんのこと、富士山に登ったことがある方でも、ここまで四季折々の美しい眺めを満喫できた方はいないだろうから、たっぷりと楽しまないともったいない!
西側の顔が好き!!
富士登山を疑似体験した後には、北棟のホールやテラスから、間近に富士山の全景を眺められる。
水盤で見た富士山とは異なり、麓までしっかりと眺められるので、この富士山の西の顔を目に焼き付け心に刻んでほしい。
よく富士山のどちらの顔が好き?という質問を受けたりするが、個人的には見慣れていることもありこの南西~西側にかけての富士山が一番好きだ。特に静けさ漂う田貫湖から眺める富士山は最高だ!
オォー富士よ、富士山よ!!
静岡県富士山世界遺産センターの北棟3階に「受け継ぐ山」というコーナーがあり、屋外展示へと向かう手前に、まるでマンションの売り出し広告のような、テーブルと椅子が置かれ、ガラス越しに富士山が眺められる場所がある。
静岡県在住ということで、自宅から富士山を眺められる環境にはいるが、リビングから毎日これだけの光景が眺められたら…と、思わず嫉妬してしまうほどのロケーションだ。
富士宮の人達は、毎日当たり前のように大きな富士山を眺めているので、ひょっとしたら空気のような存在になっているのかもしれないが、同じ静岡人でも富士宮から見る富士山は、その大きさもあって格別に美しく感じる。
ましてや県外から訪れた方、特に富士山とは縁のない地域の方、さらには海外から訪れた外国人の方々は、日本人の琴線にも触れるこの富士山の光景に、さぞや感動することだろう。
ホールでもテラスでも水盤でもどこでも構わないので、心行くまで「富士山」の眺望を楽しんで行って欲しい。
富士登山を疑似体験できるよ!
スロープは単なる通路ではないので、映し出される映像がリピートするまで、1つ1つ立ち止まって見よう!
水盤に映る逆さ富士は昼と夕刻に、二度見よう!
刻々と表情を変える富士山の魅力と美しさが、比較することでよくわかるよ!
富士山・大鳥居・展示棟のコラボを楽しもう!
富士山と大鳥居、大鳥居と展示棟など、いろんな写真が撮れるよ!
静岡県富士山世界遺産センターの見どころ
静岡県富士山世界遺産センターのおすすめ時期
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
静岡県富士山世界遺産センターの基本情報
名称 | 静岡県富士山世界遺産センター |
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読み方 | ふじさんせかいいさんせんたー |
郵便番号 | 〒418-0067 |
所在地 | 富士宮市 宮町5-12 |
駐車場 | なし ※近くに市営神田川観光駐車場あり |
お問合せ | 0544-21-3776 |
公式HP | 静岡県富士山世界遺産センター |
するナビ | 富士宮市の観光スポット |
アクセス | ①JR身延線「富士宮駅」徒歩7分 ②JR東海道新幹線「新富士駅」 ⇒富士急バス「静岡県富士山世界遺産センター」下車 |