川根本町観光ガイド『奥大井湖上駅』

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Vol . 39

奥大井湖上駅

Okuoi

奥大井

5つ星評価

奥大井湖上駅

Presented By 星★聖

奥大井湖上駅

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奥大井湖上駅をご覧の皆様へ

奥大井湖上駅おくおおいこじょうえきとは?

静岡県川根本町にある、長島ダム のダム湖となる 接阻湖 に突き出た半島の海抜490mの突端に位置する、「南アルプスあぷとライン」こと大井川鐵道 井川線の駅で、2001年に『中部の駅百選』に選定されている。

ダム建設で湖底に沈む一部路線に代わり、1990年に新設された路線に設けられた駅で、両サイドに続く レインボーブリッジ とともに、エメラルドグリーンの湖上に浮かぶ絵になる駅としてその絶景が話題となり、現在までテレビやCMなど数々のメディアに登場し続けている、夢の吊橋 と並ぶ奥大井の一大観光スポット。

2012年には『ふじのくにエンゼルパワースポット』に選定され、2016年からは 奥大井恋錠駅 の愛称とともに、「愛の恋錠」としてハート型の金の錠と「恋のかけ橋 記念切符」がセット販売されるなど、恋人達が永遠の愛を誓う場所にもなっている。

2019年には、静岡県内で初めて「COOL JAPAN AWARD 2019」を受賞し、受賞53作品を代表してプレスリリースにその写真が掲載された。

星★聖の名勝・史跡探訪記

奥大井湖上駅の見どころ

『ザ・ベストハウス123』で一躍有名に!

奥大井湖上駅の駅名標・駅名板

寸又峡温泉と並び、奥大井の大自然が満喫できる場所として知られる接阻峡(せっそきょう)に、全国的にその名が知られるひとつの有名な駅があります。

目隠しをされ、いきなりその駅のホームに立たされたならば、なぜこの駅が有名なのかすぐには理解できないほどの小さな小さな無人駅で、観光シーズンの日中でも、列車を待つのは自分ひとりだけ…という状況がしばしば起こりえるその駅が、トロッコ列車が走ることで知られる大井川鐵道の井川線こと「南アルプスあぷとライン」にある「奥大井湖上駅」です。

この奥大井湖上駅は、鉄男をはじめとした鉄道マニアの間では、同線にある私鉄の鉄橋として日本一の高さを誇る「関の沢鉄橋」とともに以前から知られた駅だったのですが、大井川鐵道のSLやトロッコ列車の人気の沸騰や、奥大井全体が雑誌や旅番組などマスコミに数多く取り上げられだしたこともあり、徐々にこの駅の名も一般に知られるようになっていきました。

そんな中、この奥大井湖上駅を一躍有名にしたのが、2008年4月30日に放送された、「ワン・ツー・スリー」の掛け声で知られたフジテレビの人気番組『ザ・ベストハウス123』で、その番組中の「日本の不思議な駅ベスト3」で、他のユニークな駅を退け見事第1位を獲得したことでした。

そこに映し出された絶景のロケーションを誇る奥大井湖上駅の映像から、全国の視聴者の注目をにわかに集め、番組終了直後より、奥大井湖上駅のある川根本町の役場や観光協会には問い合わせの電話が殺到しました。

奥大井湖上駅の絶景

わたしもテレビを見ながら第1位の発表に、この見覚えのある光景が映し出されたため思わず「オォー」と叫んでしまったのですが、今まで 余部鉄橋で知られる余部駅や、日本一のモグラ駅である土合駅など、全国のユニークな駅にはいくつか訪れていましたが、今回の選定テーマである不思議さという点やそのスケール感・美しさから奥大井湖上駅が1位に選ばれたことには納得がいく結果であり、同じ静岡県に住む者としてとても嬉しいことでした。

そしてそれから10年の歳月が流れた2019年5月10日に、ついに静岡県内で初めて、世界各国の外国人審査員100名が選ぶ、国際的にみてクールと感じる日本の文化・観光資源に贈られる「COOL JAPAN AWARD 2019(クールジャパンアワード2019)」を受賞し、しかも受賞した53作品を代表してプレスリリースにその写真が掲載されるまでになりました。

名実ともに世界に誇る観光資源となった訳ですが、この駅のどこが素晴らしく、どこに不思議さがあるのか…!?

その答えは、奥大井湖上駅を一度訪れてみれば、自ずと見つけられるはずです。


遠景が絵になる「奥大井湖上駅」

奥大井湖上駅

この奥大井湖上駅へは、JR東海道線の金谷駅から、トーマス号などのSLが走ることで知られる大井川鐵道に乗り1時間超かけて着く千頭駅にて、さらにトロッコ列車に乗り換えて揺られること約1時間でたどり着きます。

マイカー族の方でも、国道362号から井川ダムに続く県道388号にて、この奥大井湖上駅にアクセスすることができます。少々歩くものの周辺に駐車場が設けられているので、列車に乗らずともこの駅のホームに立つことは可能です。

そんな奥大井湖上駅の魅力は大きく分けて2つあり、その1つがテレビの映像でも反響を呼んだ、抜群のロケーションです。駅そのものの立地がとにかく素晴らしく、遠景が絵になる実に魅力的な駅となっています。

テレビの映像でも話題を呼んだ奥大井湖上駅の絶景を生むこのロケーションは、対岸よりこの奥大井湖上駅を見下ろすと、一瞬湖に浮かぶ島に駅がポツンと取り残されているかのように見えます。

ジブリチックでどこかおとぎの国に登場する駅のようでもあり、霞のかかった日などは空から列車が舞い降りてくるのでは…などと想像してしまうほど、とてもロマンチックでかわいい雰囲気に包まれています。

実際には孤島ではなく陸続きで、長島ダムの建設により生まれた接阻湖に迫り出した半島状の山の頂にこの駅が存在するのですが、この光景は季節の変化や太陽の位置、湖面の色や水位の変化により様々に表情を変え、いつ訪れても絵になる実にすばらしい眺めとなっています。


レインボーブリッジって!?

レインボーブリッジ

奥大井湖上駅の両側の湖上約70mには「レインボーブリッジ」と呼ばれる真っ赤な橋が架けられており、この2本の橋がまたこの不思議な駅の魅力を際立たせています。

ちなみにこのレインボーブリッジは、役場の方のお話では『踊る大捜査線』で知られるあの東京お台場のレインボーブリッジよりも先に命名されたとのことですが、知名度こそ上がらなかったものの、その美しさや実際によく虹がかかる橋という意味では負けていないように思えます。

いずれにせよこの奥大井湖上駅の絶景は、訪れる者を魅了する美しさがあり、2013年には『サザエさん』のオープニングに登場し、2015年には缶コーヒーの「BOSS」のプレボスBLACKのCMにも登場しています。

この景色を眺められるだけでも、この奥大井湖上駅を訪れる価値は充分ある訳ですが、この駅の魅力はそれだけではありません。


冒険心をあおる、メルヘンチックな駅!

レイクコテージ奥大井

奥大井湖上駅のもう一つの魅力は、この駅に降り立った時に味わえる冒険心をあおるメルヘンチックな雰囲気です。

子供はもちろん、大人でも童心に返り思わずワクワクしてしまうような不思議な雰囲気が、この奥大井湖上駅にはあります。

駅のホームの裏手には、「レイクコテージ奥大井」と言われるログ風の2階建の休憩施設があり、子供たちが我先に!!と駆け上っていきます。

常設のお土産屋や売店などがあるわけではなく、文字通りただのがらんとした湖にある休憩施設なのですが、そのことがまた何かこの駅の不思議な世界を演出してくれます。

この建物の2階には望遠双眼鏡が設置されていて、ここでも特にここから望むべくものは見当たらないのですが、これがまた何かあるのでは!?と逆に想像力を膨らませ、崖面に生息する動物たちを探したり、いろいろと覗きながら考えを膨らます楽しみを与えてくれます。

冷静に考えれば、何もない単なる田舎の駅の施設であり、時間つぶしにしかならないものなのですが、この駅にあると何か現れるのでは…!?、どこかに秘密が隠されているのでは…!?、どこかに仕掛けがあるのでは…!?と思わせる不思議な魅力があります。

それはまるで魔法にかかったような、そんな心持ちです。


風の妖精たちを怒らせないように!

奥大井湖上駅のハッピー・ハッピー・ベル

そんな気持ちを知ってか知らずが、駅のホームには『風の忘れもの』と記された「Happy² Bell(ハッピー・ハッピー・ベル)」という鐘が設置されています。

そこに掲示されている説明書きには、

♪Happy² Bell
『ここは風の妖精たちの遊び場所
 その場所は森が教えてくれます。
 この鐘は妖精の忘れていった
 幸せを運ぶ宝物。
 この音に触れると不思議に
 元気があふれます。
 でも鳴らしすぎると妖精が
 怒って風を起こすかも?』


と記されています。

一部難解?なとてもメルヘンチックな文章なのですが、この文章を読んでいると、あの休憩所には妖精がいるの!? これも妖精たちの悪戯なの!? などとまたまた考えてしまい、ますますこの奥大井湖上駅の不思議な世界に惹きこまれていきます。

レイクコテージ奥大井から見下ろす奥大井湖上駅

単に奥大井湖上駅を訪れた記念に…という感じで鳴らす鐘とは異なり、この鐘の音とともにどこからか妖精が現れるのでは…と思わず思ってしまうほど、ある種とりつかれたような感覚さえ覚えます。

まぁ人それぞれ感じ方は様々でしょうが、それはそれとして、元気がもらえる鐘ということなので、ここは周囲に注意しながら一度鐘を鳴らしてみましょう。

ただし、くれぐれも鳴らしすぎにはご注意を! 妖精たちを怒らせて、説明書きにもあるように、風で飛ばされて湖に転げ落ちても知りませんよ!


平成生まれの「奥大井湖上駅」

奥大井湖上駅を行く南アルプスあぷとライン

「Happy² Bel」から駅のホームの両側に目をやると、前述の真っ赤なレインボーブリッジがそれぞれ湖上に伸びており、東側の橋の上には、手を伸ばせば列車に当たるくらいの線路脇に、ハイキングコースとなっている遊歩道が伸びています。

湖を覗きながら湖上を歩くことが出来るとともに、トロッコ列車の乗客に手を振りながら、間近で列車の通過を楽しめたり、この道を進んでいくことにより対岸へと抜けられ、テレビに映し出されたあの奥大井湖上駅の遠景を楽しんだりできます。

ここまで読まれた方で、そんなに素晴らしい駅ならば、なんで今までこの奥大井湖上駅が注目されなかったんだろう?と、不思議にお思いの方もいらっしゃるかと思います。

実はこの奥大井湖上駅は、ずーっと昔からあった駅という訳ではなく、前述の長島ダムの建設により湖底へと沈む路線に代わり、新たに新設されたルート上に設けられた駅で、1990年10月2日にオープンした平成生まれの新しい駅なのです。と言っても、時が経つのは早いもので、今となっては一時代前となってしまいましたが…。

ダム建設については「長島ダム」のページを参照して頂くこととして、この路線変更に伴いいくつかの新駅が誕生し、この奥大井湖上駅も、その中の一つとして接阻湖の湖上に設けられることとなりました。


目の前のあの橋は何!?

南アルプスあぷとラインの軌道跡

「南アルプスあぷとライン」に乗っていると、あちこちで旧路線の跡が見受けられますが、この奥大井湖上駅でも、対岸にかつての軌道跡である橋を見ることができます。

奥大井の旅を何回もされている方の中には、この旧路線にターゲットを絞った旅をされている方もいらっしゃり、お話を伺っていると、結構あちこちにトンネルや軌道跡が残されていて、水位によっては見えたり見えなかったりするところもあったりして、それはそれでなかなか楽しい旅になるようです。

実際一部区間では、旧路線を巡る探検ツアーなども企画されているので、興味のある方は観光協会などに問い合わせてみて下さい。子供たちの自由学習にも良いですよ!

それにしても、夜になったら妖精たちを乗せた列車が走ったり…。


わたしのおすすめルートは?

奥大井の散策マップ

奥大井湖上駅へのアクセス方法は、前述のとおり鉄道とクルマによる2つの方法があるのですが、廻り方としてはどこからアプローチするかで、いくつかのルートがあります。

どれでも駅と遠景の両方を楽しんで頂ければわたしとしては良い訳ですが、個人的には対岸での奥大井湖上駅の遠景を楽しんでから、ワクワクしながらレインボーブリッジを渡って駅に向かうプランの方が、感動が大きいように思えます。

定番のSLとトロッコ列車で、最初にこの奥大井湖上駅へと向かう旅も、それはそれで楽しい旅なのですが、朝クルマでこの奥大井湖上駅へ行き、この駅を基点に列車の旅を行い、夕方この駅に戻ってくるというコースが、わたしのおすすめです。

ただしクルマで行くと、ついついあちこち全部クルマで乗りつけることを考えてしまい、列車に乗ることや歩くことが面倒になってしまいがちですのでご注意を!

この奥大井湖上駅のある「南アルプスあぷとライン」の列車の旅は、乗っているだけで楽しくなるとても素晴らしい旅で、途中に「アプトいちしろ駅」などユニークな駅や観光施設、そして何より奥大井の大自然が開放的な車両から満喫できますので、マイカー族と言えども必ず1駅でもいいので、この列車の旅を楽しんで頂きたいと思います。

それと奥大井湖上駅に限らず、奥大井の旅は歩いてこそ楽しめ感動できる旅となりますので、クルマで行かれる方はこちらもお忘れなく!


必ず2つの楽しみ方を!

奥大井湖上駅へのアプローチ

話は戻りますが、わたしがおすすめする遠景から楽しむプランだと、前述の通りその感動が大きく感じるだけでなく、朝夕で陽の当たり方や湖の色の変化、光線による周囲の山々の見え方の違いなどにより湖面に浮かぶ奥大井湖上駅の見え方が異なるため、一日に2度異なる絶景を楽しむことができます。

このコースを行くには、ハイキングコースにもなっている県道を折れ、林の中へと続く一本道から歩いて奥大井湖上駅へと向かうことになります。

途中にかなり急な階段があるのですが、この道を進んでいくと、ちょうどレインボーブリッジを縦に一直線に眺められる線路上の場所に出て、ここから雄大な景色を楽しむことができます。

この場所はレインボーブリッジの東の端となり、1987年10月に完成した長さ61mの「本土トンネル」の入口上にあたるのですが、湖上に真っ直ぐに伸びる線路と、レインボーブリッジの赤、湖面の緑、青い空が実に美しいコントラストをなす絶景ポイントとなっています。

トンネルを抜け駅に向かう列車を撮影する方や、ハイキング途中に立ち止まって雄大な景色を眺める方、そして駅から歩いてきて急な階段を見上げてここで一息入れる方など、多くの方が立ち寄ります。

ここからら階段を下りきると、後はレインボーブリッジ上を真っ直ぐ歩いて行けば、奥大井湖上駅へとたどり着けます。

奥大井湖上駅は前述のとおり無人駅ですので、出入りは自由です。感覚的には、どこからが駅という意識もなく、自然にホームに立っていた…という感じになるのではないでしょうか。

ちなみに県道側から下ってきたこの階段ですが、かなり急な上に、落ち葉などが濡れていると結構すべって危険なこともあるので、歩く際にはくれぐれもよそ見をせずに足元に注意して下さい。

それと鉄道派の方で、駅からハイキングに出かける方は、この階段を前にここで引き返すことのないように! ここで止めてしまっては、奥大井湖上駅の楽しみ方としては片手落ちですので、必ず対岸からの遠景を楽しむために、頑張って上りきって下さい!

くどいようですが奥大井湖上駅の素晴らしさは、レインボーブリッジ上を歩き駅のホームに立ち周囲の景観の美しさやその雰囲気を楽しむことと、対岸からこの駅の絶景のロケーションを楽しんでこそ味わえるものです。

歩くのが面倒だからと、対岸からの遠景だけ楽しんだり、ただ列車に揺られ通過したり、ホームに降り立っただけでは片手落ちであり、本当の意味でこの奥大井湖上駅を楽しんだことにはなりませんよ!

ここは時間をかけ、100%奥大井湖上駅を満喫すべく、ゆっくりと両方の楽しみ方をしてみて下さい。


中部の駅百選! 「奥大井湖上駅」

中部の駅百選に選ばれた奥大井湖上駅

そんな抜群のロケーションを誇る奥大井湖上駅ですが、その特徴的な駅のイメージから、2001年には『中部の駅百選』にその名が刻まれました。

『中部の駅百選』は、10月14日の「鉄道の日」にちなんだイベントとして企画され、当時名古屋大学の副総長であった奥野信宏氏を選考委員長とした6人のメンバーにより、1999年より4年間にわたり毎年25駅づつ選定されていった、中部地区を代表する100か所の駅に与えられた称号です。

現在ではいくつかの駅が廃止され、100駅すべてが存在するわけではないのですが、その選定にあたっては一般公募による募集と、鉄道会社などによる推薦駅が挙げられ、駅舎の歴史的な保存価値や近代的な駅施設としての利便性、公共施設が備わるなどの多目的性、風情ある駅としての雰囲気、際立った特色性などを考慮しながら選定が行われました。

この奥大井湖上駅はというと、第3回の選定における一般公募8,337票により推薦された722駅の中から見事選出され、2001年9月3日に開催された第3回の選定委員会により、正式に『中部の駅百選』の仲間入りを果たしました。

選定にあたっては、この奥大井湖上駅の最大の魅力でもあるそのロケーションが高く評価され、映画の世界に登場するようなメルヘンチックな駅を彷彿させるロマン溢れるイメージと、冒険心をあおるその立地条件が決め手となりました。

現在この奥大井湖上駅のホームには、この『中部の駅百選』を記念して建てられた黄色のプレートが掲げられています。

おそらくこの駅を訪れた方誰もが、この選定には納得されるのではないでしょうか。


あなたは、妖精の気配を感じますか?

奥大井湖上駅の遠景

わたしはこの奥大井湖上駅へは、新緑の季節秋の紅葉シーズンに訪れることが多いのですが、平日でなくても気付くと駅に独りぼっち…ということがよくあります。

それというのも、この奥大井湖上駅は、そのロケーションから地元の方の日常生活のための駅というよりは、完全に観光用の駅として誕生した背景があり、この駅よりハイキングに旅立つ方が去っていくと、この奥大井湖上駅にはひとり取り残される形になってしまうからです。

そんな時、不思議な雰囲気とともに"妖精"の気配を感じます。誰も見ていないので、ひょっとして妖精たちが出てきてくれるのでは…!?と。

奥大井湖上駅の待合所

この奥大井湖上駅のホームの中央には、ベンチに雨よけの囲いがされ、一本の蛍光灯に時計が無造作に置かれているという、駅舎というよりは掘立小屋という感じの田舎の無人駅らしい、味のある待合所があるのですが、その待合所のベンチの片隅に、観光駅らしい「想い出ノート」が置かれています。

そこにはこの奥大井湖上駅を訪れた方が、思い思いにその感想を書いたり、自分がこの地に来た証を残したり、時間つぶしにつれづれと事を記したりと、それぞれの語り口で様々な文字や絵が描かれているのですが、このノートを読んでいると、妖精が出るなんて馬鹿げたことを…と思いきや、結構不思議な体験をした方や、わたしと似た様なことを想像した方がいることに気付きます。

ここでもこの駅の持つ不思議な魅力を改めて感じました。

乗り遅れてしまった時(最終列車じゃないですよ…)や、奥大井湖上駅周辺を散策しつくして次の列車まで時間が余ってしまった時などには、暇つぶしにこの「想い出ノート」のページをめくってみて下さい。

もちろん、あなたの妖精たちとの出逢いを綴ってもいいんですよ!


風の妖精に会いに行きませんか?

レインボーブリッジを行くトロッコ列車

今でこそ絶景のロケーションを誇る駅として知られる奥大井湖上駅ですが、かつては深い深い山間の高台の一角に過ぎませんでした。

この奥大井湖上駅が誕生した時には、グランドレベルの上昇とともに、エメラルドグリーンの美しい湖面が煌めくこの光景に、古くから住む地元の方々も、さぞや驚かれたことかと思います。

春夏秋冬どの季節でも、その時期ならではの風情が感じられ、訪れる者を楽しませてくれる奥大井湖上駅。一番はやはり秋の紅葉シーズンですが、季節を変え時間帯を変え何度でも訪れてみたくなる、そんな魅力あふれる観光スポットになっています。

いつ訪れても、その美しさに感動すること間違いなしの場所ですので、初めての方はもちろんのこと、訪れたことがある方も風の妖精に会いに、是非「奥大井湖上駅」を訪ねてみてください。

くれぐれも出てこないからと言って、鐘を鳴らし過ぎちゃダメですよ。それと、うっかり最終列車に乗り遅れないように、運行日にも注意して下さい!


恋人達のハートをロックする『奥大井恋錠駅』

奥大井湖上駅

わたしがはじめて奥大井湖上駅の記事を書いてから、かれこれ10年以上が過ぎ、その間2012年には『ふじのくにエンゼルパワースポット』に選定され、2019年には「COOL JAPAN AWARD 2019」まで受賞しました。

テレビや雑誌にCMにと毎年のようにマスコミに採り上げられ、ブログやSNSなどで紹介される数も格段に増え、この駅の知名度はますます上がり、訪れる人たちも国内外老若男女問わず増えていったように思えます。

2016年6月12日の恋人の日からは「奥大井恋錠駅」の愛称とともに、「愛の恋錠」として、ハート型の金の南京錠と2つの鍵、それに"この想い から 奥大井恋錠 ゆき"の恋のかけ橋記念切符がセット販売され、これを新たにホームに設置された"♡恋がかなう駅♡ 奥大井恋錠駅"の「愛の鍵箱」に2人でロックするという、恋人達が永遠の愛を誓う場所にもなりました。

またホームには、真っ白なハート型ベンチハートのモニュメントなどが設置され、インスタ映えして話題作りには一役買っているわけですが、その一方であの絶景があるだけに、ちょっとやり過ぎでは…という感じもしています。

愛の錠は全国の『恋人の聖地』を巡っていたわたしからすれば、若い頃から慣れ親しんだものであり、この駅にあってもイメージ的にはよい仕掛けだと思いますが、真っ白なハート型のベンチやデカデカとしたハートの飾りなど、いかにもインスタ映えを狙ったという感じの装飾物の数々は、この駅にあってはどうなのかなぁ~と思ってしまいます。

天然のハート型の古木の切り株ベンチならいざ知らず、視覚ではない何もない所から広がっていたおとぎの国の不思議な世界観が失われ、どこか魔法が解けたような、妖精たちも逃げて行ってしまったような、そんな気がしてなりません。

時折急に現実社会に引き戻されたかのようなある種の寂しさを感じ、夢が覚め、どこにでもある小さな田舎の駅に、ポツンとひとり取り残されたような…そんな気持ちになります。

乗客数は鉄道の存続にとっては生命線であり、井川線を維持していくためには、あの手この手の集客活動は避けられないことも十分理解でき、過疎化や時代の流れの中では避けられない現実なのかなぁ~という気もしますが、心のどこかで妖精たちが住みやすい静かな駅に戻してあげたい…と願っている自分もいたりします。

まぁこれも老いて行く親父の遠吠えなのかなぁ~と思いつつ、全体から見ればこのようなことで色あせる奥大井湖上駅の魅力ではありませんので、10年後の「奥大井湖上駅」の姿を楽しみに、「奥大井恋錠駅」がどうなっているのか、これからも足を運ぼうと思っています。

奥大井湖上駅の3つのポイント

駅散策と遠景の2つの楽しみ方を忘れずに!

奥大井湖上駅の素晴らしさは、駅に降り立っての冒険心溢れる散策と、県道側からの絶景のロケーションを楽しんでこそ。片手落ちじゃダメだよ!

愛の恋錠は、奥大井湖上駅には売っていないので注意!

千頭駅などで事前に購入していかないと、奥大井湖上駅で永遠の愛が誓えないよ!

鐘の鳴らしすぎに注意!

鐘の鳴らしすぎに注意! 妖精が怒ったらどうなるか知らないよ!

奥大井湖上駅の見どころ

温泉マイスター 星★聖(ほしたかし) 星★聖(ほし たかし)

奥大井湖上駅のおすすめ時期

1月  2月  3月  4月  5月新緑 6月  7月  8月  9月  10月  11月紅葉 12月 

奥大井湖上駅の基本情報

名称 奥大井湖上駅
愛称 奥大井恋錠駅
読み方 おくおおいこじょうえき
郵便番号 〒428-0401
所在地 川根本町 梅地84-3
駐車場 あり
お問合せ 0547-59-2137(大井川鐵道)
するナビ 奥大井の観光スポット
アクセス 大井川鐵道「奥大井湖上駅」

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奥大井湖上駅のカテゴリー

奥大井湖上駅の地図