冨士霊園の見どころ

春になると一変する冨士霊園

よく御殿場市と間違われるが、小山町にある「冨士霊園」は、1962年より計画が進められ1965年7月に開園した、約64万坪にも及ぶ花と緑に囲まれた広大な墓園で、鈴鹿サーキットとともに日本のモータースポーツの聖地として知られる富士スピードウェイのすぐ近くにある。

レース好きな私は、学生時代よりこの正門前を何度右折したかわからないが、当時はまだ若く花鳥風月とは程遠い生活をしていたこともあり、初めて園内に足を踏み入れるまでに20年以上の歳月がかかった。

と言っても霊園であり、ゆかりのある方が眠っているならともかく、それ以外で訪れる方が珍しいはずだ。

ゆかりの方と言えば、ご年配の方ならご存知の方も多いと思うが、冨士霊園には、ホンダ（本田技研工業）の創業者である本田宗一郎や、『丘を越えて』『青い山脈』で知られる歌手の藤山一郎、昭和の演劇史に名を残した日本を代表するカリスマ女優だった杉村春子などが眠っており、墓マイラーの方が訪れたりもしている。

そんな霊園に私が足を踏み入れるきっかけとなったのは、四十を過ぎた頃に一枚の写真を目にし、ここが桜の名所だと知ったからだ。

上の2枚の写真を見比べて頂ければお分かりのように、毎年4月になると冨士霊園の景色が一変する。

オフシーズンという言葉が適切かどうかわからないが、お花見シーズンと他の時期とでは全く様相が異なり、4月の冨士霊園は、まるで魔法をかけたかのように園内の雰囲気がガラリと変化し、とてつもない魅力を放つ。

年を重ね少しづつ花に興味がわき出していた私の足が、右折をせず冨士霊園へと向かったことは、今思えば自然な流れだったのかもしれない。

ちなみに冨士霊園は、よく「富士霊園」と書かれるが、正式には「冨士霊園」が正しい。

圧巻の桜並木！

冨士霊園の魅力は、なんと言っても「やすらぎの苑 慰霊堂」横にある「展望台」から望むこの光景だ。私が訪れるキッカケとなった写真も、上のような構図の写真だったと記憶している。

冨士霊園のメインストリートとなる「桜中央通り」脇には、ズラリとソメイヨシノが植えられており、左右に真っ直ぐに伸びる桜並木の光景は圧巻だ！

ただ展望台へと伸びる石段もこれまた真っ直ぐで、200段以上の直階段となるため、運動不足の方には少々キツイかもしれないが、登った分だけ素晴らしい光景に出逢えるので頑張ってみよう！

桜トンネルを歩いてみよう！

冨士霊園のお花見スポットは展望台だけじゃない。メインストリートの「桜中央通り」沿いの桜並木は、長い年月を経て見事な桜トンネルを形成している。

緑とピンクのコントラストも映えとても美しい光景を作り上げているので、車で訪れた方も面倒くさがらずに歩いてみよう！

せっかく冨士霊園へ来たのに、ここを歩かなかったらもったいないよ！

Gマークで日本さくら名所100選！

冨士霊園には、約1000本のソメイヨシノと約7000本の山桜が植えられていて、1990年4月に財団法人日本さくらの会の創立25周年を記念して選定された『日本さくら名所100選』に選ばれている。

桜中央通りの桜並木だけでなく、富士見会館やバス停周辺には、一本桜と言っても過言ではないくらいの見事な枝ぶりを見せるしだれ桜がいくつも花を咲かせていて、今や静岡県屈指のお花見スポットにもなっており、毎年4月になると10万人を超える見物客が冨士霊園へと押し寄せる。

また富士山と箱根連山を借景とし、南北を基軸に緩やかな上り勾配の地形を生かした墓園の空間設計が評価され、2014年度にはGマークで知られる『グッドデザイン賞』も受賞している。

「やすらぎの森」には、梅園やつつじ園・シャクナゲ園・モミジ林なども整備されており、木々の成長とともに、これから益々魅力が増して行きそうだ。

圧巻の展望台へ登ろう！

冨士霊園と言えばココ！ 展望台から見下ろす桜並木の景色を見なきゃ魅力半減だよ！

桜中央通りの桜トンネルを歩こう！

桜中央通りの桜並木をのんびりと歩いてみよう。ソメイヨシノだけでなく山桜やしだれ桜も美しいよ！

墓園であることを忘れずに！

冨士霊園は観光スポットではないので、お墓参りに来られた方の迷惑にならないように！

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