かわづカーネーション見本園とは?
静岡県河津町の 川津来宮神社 近くにある、2003年2月にオープンした、カーネーションの栽培技術研究を目的につくられた見本園で、全国的にも珍しい施設。
昭和初期よりカーネーションの栽培が町の主要産業となっていた河津町らしく、2024年現在 287品種 14,000株 ものカーネーションが栽培されている。
全国的に知られる「河津桜まつり」の開催期間中に開園していることもあり、一緒に楽しむ花見客が多く足を運ぶ。
かわづカーネーション見本園の見どころ
カーネーションの花と香りの違いを楽しもう!
河津桜・バラ・花菖蒲・そしてカーネーションと、かつては “花の里” と言われた河津町だが、2017年を最後に惜しまれつつ かわづ花菖蒲園 が閉園してからは、そういう声は聞かれなくなった。
そんなかつて130種類 25,000株もの花を咲かせた かわづ花菖蒲園 の跡地のすぐ横にあるのが、2003年2月にオープンした「かわづカーネーション見本園」だ。
河津町は昭和初期よりカーネーション栽培が町の主要産業として盛んに行われ、真冬にカーネーションの花が楽しめるようになった露地栽培からハウス栽培へと転換したのも、ここ河津町が日本初であり、当時の木造ハウスは「河津式ハウス」などと呼ばれていた。
そんな河津町に、カーネーションの栽培技術研究を目的につくられたのが、「かわづカーネーション見本園」だ。
色とりどりのカーネーションの花だけでなく、ハウスいっぱいに広がるカーネーションの香りの違いも楽しもう!
新種のカーネーションに、いち早く出逢える場所!
2008年に訪れた時には、一般棟と特別棟の2棟に219品種のカーネーションが栽培されていたが、2019年に訪れた時には332品種に、そして直近で訪れた2022年には376品種 14,000株ものカーネーションが栽培されていた。2024年現在は、287品種 14,000株となっている。
2022年に訪れた時には、河津町で出荷され広く市場に出回っている品種はわずか24品種で、残りの352品種は市場に出回っていない品種だった。
かわづカーネーション見本園で栽培されているカーネーションのわずか6%強の品種しか一般には知られていないわけで、それが見本園たる所以である。
逆に言えば、本来はなかなか見ることが出来ない貴重な施設であり、“観賞” というよりは “見学” という言葉の方がふさわしい場所なのかもしれない。
河津桜見物のついでで構わないので、是非とも立ち寄ってもらいたいと改めて思う施設だ。
名も無きカーネーションを忘れないでね!
そんなかわづカーネーション見本園の試作棟となる特別棟は、種苗会社より寄贈された新品種や試験品種を主に栽培している施設で、現在2棟が公開されている。
特別棟①には年度にもよるが、2022年にはカネコやミヨシ・ジャパンアグリバイオ・セレクタジャパンなどの種苗会社4社より寄贈された約150品種 4000株が栽培されていて、特別棟②には種苗会社2社より寄贈されたものと、農林技術研究所伊豆農業研究センター(旧農業試験場南伊豆分場/南伊豆圃場)より委託された約202品種 4000株のカーネーションが栽培されていた。
特別棟は新品種育成のための試作棟であり、一般棟と異なり通路幅や植付本数などを実際の農家の栽培環境や栽培方法に合わせて整備しており、その内半分が名前はあるものの一般には知られていない品種で、残り半分が「DCS16-2030」とか「18168-05」などの番号で呼ばれる名も無きカーネーションたちで、花屋の店頭に並ぶ日を夢見て栽培されている。
だがその多くがここで姿を消してゆく運命にあるわけで、気に入った大輪の花があったなら、あなただけは忘れずにいてあげてほしい!
あなたはSP派、それともST派?
ここを訪れるまで、わたしはことカーネーションに関しては、このことを気にもしていなかったのだが、言われてみれば…と気づくことがあった。
それは、ハウス内の定植図に書かれた「SP」と「ST」の表記が示すものであり、SPが1本の茎に数輪の花が咲くスプレー咲きの略で、STが大輪の花が咲くスタンダード咲きの略となる。
スプレー咲きは、バラやひまわりなどでも聞かれる言葉だが、それを踏まえてカーネーションを見比べながら観賞してみれば、一目瞭然でなるほど…となる。
子供の頃から母の日にはカーネーションと親しんできたつもりだったが、カーネーションのスプレー咲きの有無については気にもしていなかった。
個人的にはオーソドックスな大輪咲きの方が好きだが、花束などではスプレー咲きの方がボリューム感が出て見栄えがするのかな…とも思う。
いずれにせよ、ただ漠然と個々の品種ごとで異なる花を愛でるだけでなく、そんな咲き方の違いなども気にしながらカーネーションの観賞を楽しんでみてほしい。
旅の楽しみが広がる “幸せの源泉” がココに!
前述した通り、わたしはカーネーションの品種には明るくないわけで、スプレー咲きの有無はおろか、ここを訪れるまでカーネーションの花の違いなど気にしたことも無かった。まぁカーネーションの花束を貰うこともまず無いわけで、職場の異動の時やお墓詣りの花束に、1~2本あるかないか…という感じだった。
それがここを訪れてから興味が出てきたわけで、桜・梅・バラ・ツバキなどと同じように、品種を気にするまでとなった。
なんでも出逢いが大切なわけで、興味が湧けば知識も増えて行くわけで、これでカーネーションを見かけた時に心の揺さぶりが起きるわけで、旅の楽しみがまた増えたかな…と思う。
そう言えば、同じような体験を 吉田公園 で毎年春に開催される「チューリップまつり in よしだ」でしていた。今まで赤・白・黄色と幼稚園児のようにしか見分けていなかったチューリップの品種の違いを、初めて気にしだしたのが吉田公園に咲く約60品種にも及ぶチューリップだったのだが、それ以後ホームセンターの園芸コーナーで球根を選ぶ時にも、色だけでなく咲き方などの品種の違いを気にするようになった。
いやいやフジに関しても同じ体験をしている。フジの名所である 蓮華寺池公園 の藤の里広場を訪れた時にも、今までせいぜい藤棚に咲く長藤の長さ位しか気にしていなかったのが、20種以上のフジの品種に出逢い、それ以降フジの花を観る目が変わっている。
話がそれたが、花鳥風月を愛でるにはまだ早い若い世代の方にはなかなかピンとこない話かもしれないが、これも身近な所に湧く “幸せの源泉” なわけで、少しづつでも違いが分かればきっとこれからの旅が楽しくなるはずだ。そのことを、わたしは身をもって感じている。
河津桜の開花に合わせて訪れよう!
かわづカーネーション見本園のカーネーションの花は、主に秋口から初夏にかけて咲くのだが、一般に開園されているのは、2月上旬~5月上旬までとなっている。以前は12月下旬~5月中旬まで開園していたのだが、現在は一番おいしい季節だけとなっている。
この見本園は当然ながら切り花ではなく、また温室によるプロによる栽培ということもあって、花もちもよく2月~3月ならいつ訪れてもたくさんの花を観賞できるので、河津桜まつりの開催期間中で、河津桜の開花に合わせて桜並木が一番の見頃となる時期に訪れることをおすすめする。
雨の日も問題なく楽しめるし、しかも寒い日には天国のような温かさで風もなく快適で、カーネーションの花に包まれながらココロもカラダも癒されるよ!
カーネーションの花の違いだけでなく、香りの違いも楽しもう!
日本で初めてカーネーションがハウス栽培された歴史ある町にある、カーネーションの栽培技術研究を目的につくられた見本園だよ!
新種のカーネーションに、いち早く出逢える場所だよ!
名も無きカーネーションを含め、376品種ものカーネーションに出逢えるよ!
河津桜が見頃となる時期に合わせて訪れよう!
2月~3月の河津桜まつり期間中で、桜が一番の見頃となる時期に合わせて訪れるのがおすすめ!
かわづカーネーション見本園の見どころ
かわづカーネーション見本園のおすすめ時期
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
かわづカーネーション見本園の基本情報
名称 | かわづカーネーション見本園 |
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読み方 | かわづかーねーしょんみほんえん |
英訳 | Kawazu Carnation Garden Kawazu Carnation Mihon-en |
郵便番号 | 〒413-0504 |
所在地 | 河津町 田中11 |
お問合せ | 0558-32-0290(河津町観光協会) |
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アクセス | 伊豆急行線「河津駅」徒歩9分 |