東海道本線で分断された、不自然な境内に注目!
静岡市清水区興津にある、釈迦如来坐像を御本尊とする臨済宗 妙心寺派の寺院で、正式名称は「巨鼇山 求王院 清見興国禅寺」(こごうさん ぐおういん せいけんこうこくぜんじ)。飛鳥時代の白鳳期に設けられた清見関の鎮護のための仏堂をその起源とし、平安時代には天台宗寺院となるも荒廃。鎌倉時代の1262年に、聖一国師の弟子だった関聖が臨済宗寺院として再興。その後、足利尊氏・今川義元・徳川家康の庇護のもと繁栄し、臨済寺・宝泰寺 とともに "駿河三刹" と称えられる。三保の松原 を望む風光明媚なお寺だったが、明治時代の1889年の東海道本線の開業にあたり境内が南北に分断され不自然なお寺の形になるとともに、高度経済成長の名のもとに眼前の清見潟が失われ景色も一変。国策により翻弄された寺の歴史を山下清は『清見寺スケッチの思い出』として、強烈な皮肉とともに書き残している。
家康ゆかりの臥龍梅を愛でに行こう!
清見寺で幼少の一時期を過ごした徳川家康が、自ら接ぎ木をしお手植えしたとされる梅で、龍が伏せたようなその形状と、後に出世した家康を、野に伏す英雄として諸葛孔明の二つ名だった臥龍になぞらえ「臥龍梅」と呼ばれるように! 歌人の与謝野晶子は『龍臥して 法の教えを 聞くほどに 梅花開く 身となりにけり』と詠んでいる。例年3月中旬にかけて見頃を迎えるよ!
とにかく見所が多いので、ゆっくりと時間をかけて見ていこう!
総門・山門から仏殿・大玄関・大方丈・書院・潮音閣・鐘楼まで、境内の建築物はどれも素晴らしいぞ!
また国の名勝に指定されている、山本道斎が手掛けた池泉廻遊式の庭園は必見だよ!
この他、五百羅漢石像や咸臨丸記念碑・琉球王子の墓・高山樗牛記念碑など、見所が多いよ!
駐車場近くには、清見関跡や高山樗牛假寓之處などもあるよ!
ちなみに非公開の『朝鮮通信使詩書』は、世界記憶遺産ことユネスコ「世界の記憶」だよ!