女将のもちより雛とは?
静岡県伊豆市修善寺の温泉街に建つ、伊豆を代表する古刹である「修禅寺」にて、2月中旬~3月上旬にかけて開催されていたひな祭りで、現在は『女将の雛飾り』へと移行し、開催場所もかつての湯の宿「花小道」の2階広間へと移されている。
明治時代の七段飾りや大正時代のおひな様、昭和時代の御殿飾や平成の雛飾りなど、修善寺の温泉街に建つホテル・旅館と、地元のご家庭より持ち寄られた約300~400体の時代時代の雛人形が、書院などに飾られていた。
また大正天皇が「東海第一の庭園である」と仰せられた、2009年まで非公開だった、鏡岩の富士・亀石・鶴石などがある修禅寺庭園「東海第一園」の特別鑑賞も同時に開催され、時間限定で旅館の女将が点てるお抹茶を頂くこともできた。
女将のもちより雛の見所
福地山 修禅寺
かつて半径5kmに及ぶ広大な寺領を誇り、境内を巡るのに一日かかったという、空海により開かれた修善寺の温泉街の中心で、伊豆八十八ヶ所の第88番札所となっている伊豆を代表する古刹だ。
女将のもちより雛
風情溢れる情緒豊かな修善寺の温泉街の古刹が、このひな祭りの舞台となっていた。同時に修禅寺庭園の特別観賞も行えたので、2倍おいしいイベントだった。
時代時代の雛人形
享保雛から明治・大正・昭和・平成と、庶民感覚の雛人形の衣装やお顔立ちなどを、一つ一つじっくり時間をかけて見比べられるのがこのひな祭りの楽しみの1つだったが、これは『女将の雛飾り』へ受け継がれている。
明治の七段飾り
細身でお顔が小さく、他の雛人形とは明らかに異なる明治時代の七段飾り。明治のモノが全てそうなわけではないが、時代を映している感じもする雛飾りだった。
程々感が良い
ひな壇が、部屋の四方いっぱいに並ぶ飾りつけだが、ビックひな祭りみたいに"個"が失われてしまうような飾りつけではないその程々感と、展示というよりも家庭で眺めているような雰囲気が、この場所でのひな祭りの魅力だった。
持ち寄り雛の自然な感覚
高貴で特別な雛人形という訳ではなく、持ち寄られた庶民感覚の雛人形を、お寺という落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりと向き合いながら自然と楽しめるのが良かったのだが・・・。
大正・昭和初期のお雛さま
見れば見るほど愛おしくなってくる、ミニチュアの全15体のひな飾りだ。最近のものかと思ったら、意外と古い雛人形だ。膝を折り視線を落として、向き合って眺めると良かった!
御殿飾
同じ御殿飾でも、岡部宿のひなまつりのような木彫で素朴な作りのものもあれば、このような煌びやかなものもあり、比較して楽しめるのが旅の醍醐味でもある。なんとなく攻撃性を感じる村上水軍の城に見えたり…
北条政子の人形
雛人形では無いが『鎌倉殿の13人』で知名度を上げた、源頼朝の正室で、修禅寺に幽閉されたのち暗殺された2代将軍 源頼家と、鶴岡八幡宮で公暁に暗殺された3代将軍 源実朝の母である、尼将軍こと北条政子の人形も飾られていた。
修禅寺庭園 東海第一園
大正天皇が「東海第一の庭園である」と仰せられたという、2009年まで非公開だった、四季の移ろいが感じられる風情豊かな庭園だ。やはり一番は秋の紅葉時なのだが、雛人形とともに楽しむ庭園も、また乙なものだった。
温泉街の古刹で楽しむ趣深いひな祭りだったよ!
風情豊かな温泉街の古刹で楽しむひな祭りは、それだけで趣深いものだったよ!
庶民感覚の時代ごとのひな飾りに注目!
明治の七段飾りをはじめ大正・昭和・平成と、庶民感覚の時代時代の雛人形が楽しめたよ!
修禅寺庭園も同時に観賞できたよ!
紅葉時ほどの感動は無いが、大正天皇が東海第一の庭園と仰せられたお庭が一緒に楽しめたよ!
女将のもちより雛 編