有東木の神楽とは?
静岡県静岡市北部の安倍川上流域に点在する、7つの白髭神社の1つである「有東木白髭神社」の舞殿にて、春と秋の年2回奉納されるお神楽で、2002年2月21日に静岡市の無形民俗文化財に指定。例年4月上旬と10月の第2土曜日に執り行われ、定かではないが江戸時代より300年以上続くとされる。
演目としては、1番の「座揃え」から17番の「神返しの舞」まで17演目あるが、舞は2番の「神迎えの舞」からで16演目。ただし実際に演じられる順番は、舞人や囃子手の都合もあり、若干異なることもある。
一番の見所は、安倍川流域では唯一となるトリ前16番の「火の舞」で、照明が消された薄暗い中で、はじめは採物に火を付けずに舞い、次に片方だけ、最後に両方付けてくるくると回しながら見事な舞を見せる。
この他にも、金銀の紙吹雪を撒きながら舞う「三方の舞」や、4人で剣を振り回す「高嶺の舞」「松竹梅の舞」「恵比寿大黒の舞」など見所が多い。
有東木の神楽の見どころ
有東木白髭神社
樹齢700年超の大スギが林立する有東木白髭神社の境内に建つ舞殿が、「有東木の神楽」の舞台となる。
静岡市の無形民俗文化財に指定されている名称は「有東木の神楽」で、国の重要無形民俗文化財でユネスコ無形文化遺産に登録された「有東木の盆踊」とともに、"の"を入れて呼ばれることが多いが、地元をはじめ「有東木神楽」と呼ばれることも少なくない。
『三方の舞』
個人的に一番印象的だったのは、金と銀の剣に見立てた筒の中に紙吹雪を仕込み、剣の先より少しづつ飛ばしながら舞う「三方の舞」だった。
お互い知り尽くした仲という感じで、村の長老というには若いが、3人の息もピッタリで、舞う姿にも安定感があった。
特に仕込んだ紙吹雪を最後まで切らさずに持たせるように、少しづつ調節しながら小出しにするのが難しいようで、穴の開き具合と手の振り加減でうまく紙吹雪の量を調節しながら舞っているようだった。
上の写真の時には、銀の舞人の技が絶妙で、太鼓の音色の強弱でも紙吹雪を舞わせる量を変えていて、その散らせ方も素晴らしかったのを覚えている。
『火の舞』
有東木の神楽のクライマックスとなるのが、この「火の舞」だ。
トリ前となるこの頃には、辺りも薄暗くなり、さらに照明が落とされた中で、始めは採物に火を付けずに舞いが始まる。
しばらくすると、採物の片方だけに火を付けて舞い出し、最後には両方に火を付けて舞う。
舞人がくるくると火の付いた採物を回すので、舞台の端に行くたびに、注連縄風の切り絵に火が付くのでは・・・と、無用な心配をしてしまうほど、緊張感が漂う演技だ。
ちなみに「火の舞」と言えば、秋葉神社や徳山神楽などでも演じられるが、安倍川流域で行われる神楽では、唯一この有東木の神楽だけに「火の舞」があるとか…。
また、その年により±15分程度の違いはあるが、4月の日没時間は18時過ぎだが、10月は17時過ぎと約1時間違うので、秋の有東木の神楽の方が、漆黒の中での舞となりやすい。
「火の舞」が終わると、そのまま「神返しの舞」が行われ、祭りは終焉を迎える。
緊張が走る『火の舞』は必見だよ!
安倍川流域で行われる神楽では、唯一の火の舞だよ!
『三方の舞』の紙吹雪に注目!
太鼓の音色の強弱でも変化する、絶妙なさじ加減による紙吹雪の舞わせ方に注目!
祭りの時間帯に注意!
夕刻から始まる民俗芸能が多い中、日没頃には終わりへと近づいているので出遅れ注意!
有東木の神楽の見どころ
有東木の神楽のおすすめ時期
1月 | 2月 | 3月 | 4月上旬 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月第2土曜 | 11月 | 12月 |
有東木の神楽の基本情報
名称 | 有東木の神楽 |
---|---|
読み方 | うとうぎのかぐら |
郵便番号 | 〒421-2303 |
所在地 | 静岡市 葵区有東木580(白髭神社) |
駐車場 | 数台あり |
お問合せ | 054-251-5880(するが企画観光局) |
するナビ | 静岡市の観光スポット |
アクセス | JR東海道線線「静岡駅」 ⇒静鉄バス「有東木」下車 徒歩5分 |