新豊院とは?
静岡県富士市岩淵にある、1679年建立の山門に東皐心越の書による「光福山」の扁額を掲げる駿河三大布観音の1つで、日本一と言われる白布に描かれた巨大な聖観音菩薩が御開帳される「新豊院大祭」で知られるお寺。
鎌倉時代の1199年に真言宗の「心包院」として開創、室町時代の1535年に曹洞宗に改宗、江戸時代の1679年に伽藍を整備し「新豊院」と改称し、現在に至る。
毎年11月第4日曜日に行われる「新豊院大祭」では、境内裏手の観音山に、縁結びや開運・子宝・厄除けなどの御利益があるとされる木綿240反(縦45m×横18m)の布観音が掲揚され、多くの参詣者が訪れる。
現在のものは、1999年に開創800年を記念し、国際水墨画協会会長の室伏春玲により複写されたもので、元の画は木綿180反(縦40m×横17m)の大きさで、昭和天皇の御成婚を祝い1924年1月に、東京美術学校の教授で美術史家だった無記庵こと大村西崖の作によるもの。
2021年までは、3月に「大観音大祭」として御開帳が行われていたが、10月に行われていた「三尊祭」と統合され、新たに「新豊院大祭」として御開帳が行われることとなった。
この他、廃寺となった増福寺の御本尊だった、像高134.5cmで藤原期の作とされる聖観音菩薩立像や、同じく廃寺となった光雲寺の御本尊だった、像高92.4cmで鎌倉時代の作とされる薬師如来坐像が安置されている他、境内には鐘楼や仏足石・六地蔵・水子地蔵尊・洗い大日如来・火伏地蔵尊などがあり、西国三十三ヶ所霊場巡りもできる。また毎年8月9日に「大施食会」も執り行われる。